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長谷川利行「浅草風景 ロック座」 1 
 当画廊おすすめの作品を紹介する「ART GALLERY」には、長谷川利行の作品が多いのですが、これはもちろん私が心底惚れているからです。
 何というのでしょう、彼の絵には芸術の原点があります、それは彼の「絵に対するひたむきさ」から来ていて、どの作品にも絵を描く喜びが溢れています。それが本当に絵を愛する人を魅了して止まないのではないでしょうか。
 正直私ごときが長谷川について書くのはおこがましいことで、果たしてどこまで長谷川の良さ・すごさが見えているのか? と問われれば、まだまだ修行中ですと答える他ありません。どうかご容赦ください。
 天城俊彦氏、木村東介氏は奥の奥まで見えていたことは間違いありません。そうでなければ命がけで扱えません。少しづつでも畏敬するご両人の域に近づきたいと思います。

 さて今回は展覧会のニュースもお伝えしたいので、まったくの僥倖により手に入れることができた8号キャンパス「浅草風景 ロック座」について書かせていただきます。


「浅草風景 ロック座」 8号

 この作品は購入した方の遺族の方からお話を頂戴したものです。現物を見た瞬間、完全にやられてしまいました。これは是が非でも手元に!! と思いました。鑑定のため羽黒洞さんに持ち込みますと、オーナー(私が尊敬して止まない画商さんです)が「ロック座じゃない、これとても良い作品ね。」と仰ってくださいました。念願かなって手に入れた時は、まさに天にも昇る気持ちでした。

 おそらく昭和10年頃の作品かと思われますが、強烈な赤と黄色、浅草の雑踏を見事に表現しています。マチエールは長谷川独特の絵の具がキャンバスにへばり付いた感じで、その力感が彼の浅草やそこに住む人々への思い入れを伝えているようです。
 『浅草は二十年に及ぶ、ぼくの画生活がある。』(長谷川利行 昭和13年)

 実はこの絵の原購入者はこの絵を昭和20年9月に購入しています。つまり60年近くその方とご遺族の手元にあったわけです。(このことは次のコラムでご紹介いたします。)
 このたび去年11月に書いたコラム「松本竣介を訪ねて」がご縁で、練馬区立美術館の土方学芸員の目に留まり、なんと約60年ぶりに世に出ることとなりました。3つの美術館を巡回いたしますので、お近くの長谷川ファンの方はぜひご覧ください。

下記の通り巡回いたします。

---池袋モンパルナス--- 「小熊秀雄と画家たちの青春展」
練馬区立美術館    9月11日(土) 〜 10月24日(日)
北海道立旭川美術館 10月30日(土) 〜 12月19日(日)
足利市立美術館    2005年1月8日(土) 〜 2月20日(日)

 ※ついでながら(失礼)、松本竣介「りんご」も出ます。

2004/09/03






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